なぜ基礎研究が重要か
いろいろなところで何度もいっていて、しつこくて恐縮ですが…
ギリシャ数学やインド数学が2000年もたってから、現代文明に必須の実用知識へ発展したように、一見すると「役に立たない」研究も「筋が良ければ」将来の実用価値の積分は巨大になると僕は思います。(もちろん、本当に役に立たないで消滅する研究も多いでしょうけど、それも含めて平均する)
たとえば「特定製品の使用方法」みたいな、今後10年間の実用価値が10で、それ以降は0の知識と、「一般計算モデルでのソフトウェア検証理論」みたいな、今後数十年間は0で、それから1000年間の実用価値が100の研究を比べたら、どちらが「役に立つ」とか「役に立たない」とか言えないのでは、という感じです。
単なる例ですが、JavaやRubyで当たり前になったガベージコレクションや(高階関数+データ抽象という意味での)オブジェクト指向は、関数型言語のLISPひいてはλ計算に由来するわけで、数学者からさえ白い目で見られがちと言われる数学基礎論や形式論理学が、当初の目的とは別の形であれ「実用化」しています。
こんなことを僕などが言うのはおこがましいし(←何を今さら)、ただの信念ですが、誤解が心配になってきたので、一応。