医療保険

契約している医療保険が値下げ(!)されて更新(解約&再契約)が必要になったので、この機会に考察してみました。プロや詳しい方のツッコミをお待ちしております。
まず、そもそも保険の目的は、(正確な比喩ではないかもしれませんが)「大数の法則」のように、多くの人が集まることにより、確率的事象の影響を予測しやすくすることです。例えば「百万分の一の確率で、一年後に十億円が必要になります。払えなかったら破産です」と言われたら、(普通の)個人では対処のしようがなく、「百万分の一の確率で一年後に破産する」しかありません。そこで、「今のうちに1,100円を払ってくれれば、一年後に十億円が必要になっても肩代わりします」という仕組みがあると助かります。それが保険です。(期待値との差の100円は手数料です。加入者が100万人だったら、一人100円×100万人=1億円が保険会社の収入になります。)
では、「入院1日目から、最大60日目まで、一日5千円を支払います」という保険と、「入院61日目から、最大1,000日目まで、一日1万円を支払います」という保険はどちらが得でしょうか。無論、前者は比較的高確率、後者は低確率の事象ですが、当然ながら保険料も確率に応じて(かなり正確に)決まっているので、「確率の高い出来事だから保険に入る」というのはナンセンスです。例えば、もし確率100%の事象だったら、明らかに自分で貯金したほうが(保険会社の手数料分だけ)得です。同様に、よほどのお金持ちか貯金不足で限り、「入院1日目から60日目まで」などという保険に意味は無く、むしろ確率は低いけれども損害が大きい「入院61日目から1,000日目まで」のような保険のほうが有用です。残念ながら現在のところ、日本の保険会社で後者のような医療保険は存在しない(?)ようですが…

追記:もちろん、高額療養費制度は存在しますが、現在の公的医療保険制度がいつまで存続するかわかりませんし、(現役の場合は)長期入院により収入が減少するリスクのほうが問題です。所得補償保険もありますが、逆選別のため(?)か、一般に割高のようです。最も悩ましいのは「入院」ではなく「療養」により収入がなくなるリスクで、良い案があったら教えてください。(自分の場合、「療養」できる状態ならば、無理すれば「就業」も可能かもしれませんが…)