年金

社会保険庁(の職員)や政治家が悪い、とのたまう「ニュース」ばかり目にするのですが、企業や組合のミス、加入者側の手続き忘れ以外が第一義的原因で「名寄せ」できない(と思われる)ケースは果たして何%ぐらいあるのでしょうか。マスメディアは素人レベルの抽象的感情論を垂れ流すのではなく、せめて問題の「理解」(「解決」とまではいいませんが)につながる具体的事実を取材して報道してほしいのですが…。これでは社会保険庁のホームページ総務省の報告書のほうがまだマシです。

Cf. http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071216/plc0712161754002-n2.htm

(前略)945万件は、手書き台帳と照合したとしても統合が困難であることが分かった。
(中略)社保庁によると945万件の大半は、(1)社保庁職員のオンラインシステムへの入力ミス(2)加入者が就職条件をクリアするために氏名や年齢を虚偽申請(3)企業が節税対策で架空の人物を届け出ていた(4)海外に移住したり、かつて日本で働いていた外国人の記録−とみられるという。
(1)の場合、データのどの部分が間違っているのかが分からず、無理に類推すれば別人の記録と混同する可能性も高まる。(後略)

この記事は平均より詳しいほうだと思うが、(1)のケースも「名寄せ」するんじゃなかったのか、とか、「別人の記録と混同」しないために確認するんじゃなかったのか、とか、そもそもなんで「手書き台帳と照合したとしても統合が困難」「社保庁職員の入力ミス」とわかったのか*1、とか、まだまだ疑問だらけなので、もっときちんと報道してほしい…(「言葉の軽さ」うんぬん等の意見ではなく、正確な事実を)

P.S. 気になったので、自分の年金手帳と一緒に保存してある書類をチェックしてみたら、そもそも平成9年の「基礎年金番号通知書」に「複数の公的年金に加入していた人は、添付の葉書で手続きしてください」みたいなことがはっきりと書いてあるじゃん! 申し出て認められなかった人はともかく、ほとんどは加入者側の単なる手続きし忘れじゃないのか…? (たとえば結婚して)氏名が変わったケースについても「速やかに手続きをしてください」と年金手帳に明記されている。「俺たちにそんな手続きをさせるお上が悪い」という話なら(少しは)わかるけど、それは一般職員の責任ではありえまい。

*1:ちなみに総務省の報告書のサンプル調査では、氏名などの欠落はすべて厚生年金で、国民年金はゼロとある