思いて学ばざれば則ち殆うし
あるところに同じようなことを(ほとんど成り行きで)書いたのですが、重要な問題のような気がしてきたので、こっちにも書いてみる。
一般に、関数型言語やプログラミング言語(および計算機科学、ないし任意の専門)についての情報は、
- 一般書・一般誌、Webやメーリングリストやブログ
- 教科書・専門書
- 論文
- 口頭での議論(学会発表や質疑応答、グループのミーティング、部屋での会話)
などで交換されます。
で、一般に情報の「ディープさ」は上から下へ行くほど濃くなると思うのです(少なくとも僕の専門分野ではそう)。そのごく一部である1.だけ(しかも日本語onlyで)「勉強」していろいろと議論するのは、(何もしないよりは良いのかもしれませんが)非常に危険です。その危険をちゃんと意識していればno problemですが。「高速道路」の話と同じことかも。
たとえば、日本のネット(?)では今になって妙に持ち上げられているSICPですが、日本でも海外でも、主要な大学ではどんどん地位が低下しています(というか、すでに低下しきっている?)。そもそも、ICFPやPOPLに参加すればよくわかるのですが、Scheme自体の地位が急速に低下しています。とかいうと多くの人を敵に回しそうですが…:-)
他の例として、(あくまで一例なので他意はまったくありませんが)日本の一部のコミュニティではPugsが非常に話題になっているようですが、論文はHaskellワークショップにrejectされたようです(違っていたら教えてください>知っている方)。おそらくプログラム委員も迷ったと思うのですが、あくまで学会なので、テクニカルにすごいというわけではない、と判断されたのだと思います。だからこそCUFPのほうに招待されたのかもしれません。ちなみに、Haskellワークショップはレベルの高いワークショップですが、あくまで特定の言語のワークショップなので、POPLやICFPなどのconferenceに比べれば論文の査読は緩いほうです(倍率とか)。
研究とhackingでは背景も目的も違うので、認識が違ってくるのは当たり前ですが、「関数型言語(ないしプログラミング言語)の研究」は半世紀前から現在までずっと連続して、れっきとして存在しているので無視しないでほしいなー、と思ったり…(笑)