帰納的定義ということ
研究室で4年生の練習問題にしているのですが、意外と誤解が多いので載せてみます。
以下の条件をすべて満たす集合Sのうち,最小のものが存在することを示せ.その集合はどのような集合か(理由とともに)答えよ.
- 0 ∈ S
- ∀n ∈ N. (n ∈ S ⇒ n+10 ∈ S)
- ∀n ∈ N. n+n ∈ S ⇒ n ∈ S
誤解というのは「最後の条件が、より大きいn+nから、より小さいnについて定めているので、帰納的定義じゃない」というものです。
追記:さらに誤解されるとまずいので補足ですが、上述の(最小の集合Sの)定義は帰納的定義です。答えが知りたい方はTAPLの21.1節(Induction and Coinduction)か、WinskelのThe Formal Semantics of Programming Languagesあたりをどうぞ。